アリの巣を探す

アリの巣を探して退治/アリの巣を駆除する方法

アリの侵入経路を観察する

 次に大切なポイントは、普段から気をつけてアリの侵入経路を観察することです。室内でアリを発見するときは、食べ物が真っ黒に見えるぐらいにたかってい るなど、我々を驚かせる状況になっていることがほとんどのはずです。このときに、我を失って、アリを手で追い払ったり、スプレー殺虫剤で目の前のアリを退 治したりしがちですが、そんなときこそ、まずは冷静さを保って、アリの行列を注意深く追いかけて、アリの侵入口を探してみてください。必ずどこかにアリが 出入りする場所があるはずですから、そこを狙って、集中的に殺虫剤を使用してください。また、殺虫剤を使用した後に、再びアリが侵入してこないように、 シーリング材などで侵入口を塞ぐのも効果的です。
 建物の周りなど屋外でアリの行列を発見した時も、注意深く行列の行方を観察してみてください。屋外から屋内への侵入口を見つけることができれば、屋内で の例と同じようにシーリング材などで侵入口を塞いで、アリの侵入を防止することができます。さらに、屋外でアリの巣を見つけることができれば、殺虫剤でア リの巣を丸ごと駆除することができるので、効果的にアリの数を減らすことができます。結果として、屋内に侵入してくるアリの数も少なくなります。特に、冬 になると、それまで広範囲に拡散していた小さなアリの巣が、一ヶ所に集まってきて比較的大きなアリの巣になる習性を持っているので、冬の間に、アリの巣を 探し出して、徹底的に駆除を行うことで、次のシーズンに発生するアリの数を格段に減らすことができます。

防除効果を評価するには

一斉防除を行った年は、大規模な行列をあまり見なくなった、家屋内へのアリの侵入が減ったなど、防除の効果を実感できます。
ここでは、防除効果を数字で評価する方法として、砂糖水を含ませた脱脂綿に集まるアリの数から防除効果を評価する方法を紹介します。

調査に必要なもの

@25%の砂糖水 (脱脂綿50 個分なら、水300 ミリリットルに対して、砂糖100 グラムを溶かした量)
A脱脂綿 (5 センチメートル四方程度のもの、数10〜100 個程度)
Bピンセット (つまめるものなら、割り箸などでも代用可)
C記録用の紙、筆記用具

調査時期と調査日の条件

1 回目:防除の実施前
2 回目:防除を実施した年の9 月(アリの数が最も多くなる時期)
雨が降らない、比較的暖かい日に調査を行う。

調査方法

1 回目:防除の実施前
ピンセットを使い、砂糖水に浸した脱脂綿を地面に置く。
(防除範囲内の数10〜100 箇所程度、防除範囲内にできるだけ分散させ、5 メートル程度以上離して設置する)
    ↓
30 分後に脱脂綿に集まったアリの数を数える。
(脱脂綿の裏側や染み出た砂糖水に集まったアリも数に加え、数が多い場合は、30、50、100 匹など、概算で数える)
    ↓
全地点のアリの数を合計する。

調査後に、脱脂綿やその他の道具を処分する際は、生きたアリがついたまま捨てることがないよう、必要に応じ殺虫剤を使用する。

2 回目:防除を実施した年の9 月(アリの数が最も多くなる時期)

9 月の調査では、脱脂綿の数と設置場所は防除前の調査と同じ数、同じ場所になるようにする。
調査後に、脱脂綿やその他の道具を処分する際は、生きたアリがついたまま捨てることがないよう、必要に応じ殺虫剤を使用する。